小論文は独学でできる?自分で伸ばせる力と、人の目が必要になる場面

塾に通わずに小論文の対策を進めたい。でも、独学で本当に書けるようになるのか不安。

そんな人に向けて、独学で進める手順と、自分で書いた答案を見直す方法をまとめました

先に結論を言うと、小論文の対策の多くは独学で進められます。ただし、ひとりでは気づきにくい部分が1つだけあります。この記事では、その部分をどう補うかまで扱います。

代表 長岡

独学でつまずく原因は、書き方の知識よりも、考えの浅さにあることがほとんどです。型を覚えたあとに何をするかで差がつきます。

目次

小論文は独学で進められる。ただし、ひとりでは見えにくい部分がある

小論文は独学で進められる。ただし、ひとりでは見えにくい部分がある

小論文の対策は、自分で進められる部分と、人に見てもらわないと気づけない部分に分かれます。この2つを分けて考えると、独学で何をすればいいかがはっきりします。

独学で身につくこと:型・知識・時間内に書き切る力

次の3つは、参考書と過去問があれば自分で身につけられます。

  • 型:序論・本論・結論の組み立て方、原稿用紙の使い方、文体のルール
  • 知識:志望する分野で議論されているテーマや、基本的な用語
  • 書き切る力:決められた時間と字数で最後まで書き上げる力

どれも「知っているか」「練習したか」で決まるので、正しい手順で繰り返せば確実に伸びます。

独学では気づきにくいこと:論の浅さと、読み手への伝わり方

独学では気づきにくいこと:論の浅さと、読み手への伝わり方

一方で、自分ではなかなか気づけないのが、意見の掘り下げが足りていないことです。

書いた本人は、頭の中にある前提や理由を知っています。

そのため、文章に書かれていない部分を無意識に補って読んでしまいます。初めて読む採点者にとっては根拠が足りない答案でも、本人には筋が通って見えるのです。

文部科学省の実施要項でも、「自らの考えを論理的・創造的に形成する思考・判断の能力」や「思考・判断した過程や結果を的確に、更には効果的に表現する能力」を評価するために、小論文や面接などを活用することが望ましいとされています(令和9年度大学入学者選抜実施要項)。見られているのは、文章の整い方よりも考えの中身です。

小論文を独学で進める5ステップ

小論文を独学で進める5ステップ

独学で進めるときは、次の順番で取り組みます。小論文の力は短期間では伸びにくいので、本番の3か月前には始めておくと安心です。

STEP1 過去問で出題形式・字数・試験時間を確認する

最初にやるのは、志望校の過去問を見ることです。書く練習より先に、何を求められる試験なのかを知っておきます。

大学入試の小論文でよく出るのは、次の3つの形式です(形式の分類は河合塾 Kei-Netの小論文とは何かを参考にしています)。

形式出題のされ方必要な力
テーマ型「〇〇について考えを述べよ」と短い問いだけが出る自分で論点を立てる力
課題文読解型文章を読んだうえで、説明や意見を求められる筆者の主張を正確に読み取る力
図表分析型グラフや表を読み取り、考察を書くデータから言えることを整理する力

このほか、英文の課題文を読む形式や、理科などの教科の知識を使って論述する形式を出す大学もあります。

あわせて、字数と試験時間も確認しておきます。800字を60分で書くのか、1,200字を90分で書くのかで、練習の組み立て方が変わります。

過去問は、大学のホームページで公開している大学もあるほか、赤本などの過去問題集でも確認できます。この段階では解けなくても問題ありません。

STEP2 型を参考書1冊で覚える

いきなり自己流で書き始めるのは避けてください。作文との違いが分からないまま書いても、同じ癖を繰り返すだけになります。

まずは入門用の参考書を1冊選び、最後まで読みます。選ぶときは次の3点を確認します。

  • 序論・本論・結論の役割が具体的に説明されている
  • 答案例に、どこが良くてどこが悪いかの解説がついている
  • 志望校の出題形式(テーマ型・課題文読解型・図表分析型)を扱っている

何冊も手を出す必要はありません。1冊を読み切って、型を自分で説明できる状態にするほうが力になります。

STEP3 志望分野の知識を入れる

型を覚えても、書く中身がなければ答案は薄くなります。志望する学部に関わる分野で、どんなテーマが議論されているかを知っておきましょう。

おすすめは、志望分野の新書を1、2冊読むことと、関連するニュースを追うことです。読んだら「筆者は何を問題にしているか」「自分は賛成か反対か」をメモに残しておくと、そのまま答案の材料になります。

STEP4 時間を計って書く

準備ができたら、本番と同じ字数と時間で書きます。最初は時間内に終わらなくて構いません。回数を重ねるうちに、構成を考える時間と書く時間の配分がつかめてきます。

書く前に、5分から10分ほどで構成メモを作る習慣をつけてください。主張・理由・具体例・結論を箇条書きにしてから書き始めると、途中で論がぶれにくくなります。

STEP5 日を置いて自分で読み直し、書き直す

書き終えたら、すぐに見直すのではなく、1日から数日おいてから読み直します。時間をおくと、書いたときの思い込みが抜けて、読み手に近い目で答案を読めます。

気になった部分は、赤を入れて終わりにせず、答案ごと書き直してください。直す作業を自分の手でやることで、次の答案に同じ弱点が出にくくなります。

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独学で書いた小論文を自分で見直すチェックリスト

独学で書いた小論文を自分で見直すチェックリスト

STEP5で読み直すときは、次の4つの観点で確認します。

河合塾の小論文対策のいろはでも、設問への応答や論述の説得力が小論文の基本課題として挙げられています。

設問にまっすぐ答えているか

「あなたの考えを述べよ」と問われているのに、課題文の要約だけで終わっていないか。「原因を説明せよ」と問われているのに、解決策ばかり書いていないか。設問の文末をもう一度読み、答案の結論がその問いへの答えになっているかを確かめます。

主張と根拠がつながっているか

主張のすぐあとに「なぜなら」と続けて、根拠を1文で言えるかを試します。言えない場合は、主張だけが先に立っている状態です。具体例を挙げている場合は、その例が本当に主張を支えているかも確認します。

「なぜ?」に3回答えられるか

「なぜ?」に3回答えられるか

独学で一番伸ばしにくい部分を、自分で点検する方法です。答案の主張に対して「なぜそう言えるのか」と問い、出てきた答えにもう一度「なぜ」と問います。これを3回繰り返します。

2回目か3回目で答えに詰まったら、そこが論の浅い部分です。一般論をなぞって書いている箇所ほど、早く詰まります。

代表 長岡

詰まった場所は失敗ではなく、次に考えるべき場所です。そこを掘り下げて書き直すと、答案の説得力が一段上がります。

字数・文体・原稿用紙のルールを守れているか

最後に形式面を確認します。

  • 指定された字数を超えていないか、大きく下回っていないか
  • 「だ・である」調で統一されているか
  • 話し言葉(「なので」「〜とか」など)が混ざっていないか
  • 段落の始めを1マス空けているか

形式のミスは、内容を読んでもらう前に印象を下げます。ここは独学でも確実に直せる部分です。

独学でつまずきやすい3つの場面

手順どおりに進めていても、独学では次のような場面で手が止まりやすくなります。

一般論をなぞって、自分の意見になっていない

「環境問題は重要だ」「一人ひとりの意識が大切だ」といった、誰が書いても同じになる結論で終わってしまうケースです。

間違ってはいませんが、採点者から見ると考えた跡が見えません。

抜け出すには、自分の経験や具体的な場面に引き寄せて考えることです。「自分の地域ではどうか」「自分が関わった場面では何が起きていたか」と問い直すと、自分にしか書けない論点が見えてきます。

反対の立場からの意見を想定できていない

自分の主張だけを書き連ねると、読み手は「その考えには別の見方もあるのでは」と感じます。説得力のある答案は、反対の意見を一度取り上げたうえで、それでも自分の主張が成り立つ理由を示しています。

構成メモの段階で「この主張に反対する人は何と言うか」を1行書き出しておくと、答案に厚みが出ます。

何度書き直しても、評価が変わらない

書き直しを重ねても手応えが変わらないときは、表現ばかり直していて、考えの中身が変わっていない可能性があります。言い回しを整えても、根拠の浅さはそのまま残ります。

この状態になったら、ひとりで続けるより、人に読んでもらうほうが早く抜け出せます。

添削してもらう相手の探し方と頼み方

独学を基本にしていても、どこかの段階で人の目は必要になります。すべてを任せるのではなく、自分では見えない部分だけを見てもらうと考えてください。

学校の先生に頼むときは、設問と答案をセットで渡す

学校の先生に頼むときは、設問と答案をセットで渡す

まず相談しやすいのは、学校の国語の先生や担任の先生です。頼むときは次のようにすると、限られた時間でも的確に見てもらえます。

  • 設問(課題文があればそれも)と答案をセットで渡す
  • 「根拠が足りているかを見てほしい」など、見てほしい点を1つに絞って伝える
  • 返ってきたコメントをもとに、自分で書き直してもう一度見せる

先生に答案を直してもらうのではなく、評価をもらって直すのは自分、という分担にしておくと、書き直すたびに力がつきます。

塾や添削サービスを選ぶときは、考えを掘り下げてくれるかを見る

塾や添削サービスを使う場合は、誤字や表現を整えるだけで終わらないかを確認しましょう。赤字で文章がきれいになっても、考えの浅さが残っていれば次の答案で同じことが起きます。

「なぜそう考えたのか」を質問してくれるか、書き直した答案をもう一度見てくれるかが、選ぶときの目安になります。

塾に通うべきかどうかで迷っている場合は、総合型選抜に塾は必要?必要な人・不要な人の判断基準も参考にしてください。

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総合型選抜の小論文は、志望理由書・面接とつながっている

総合型選抜の小論文は、志望理由書・面接とつながっている

総合型選抜で小論文を受ける人は、小論文だけを切り離して対策しないようにしましょう。

小論文で問われる社会の課題への意見と、志望理由書に書く「大学で何を学びたいか」は、同じ問題意識から出てきます。面接では、その両方について「なぜそう考えたのか」を掘り下げて聞かれます。

たとえば、地域医療に関心があって医療系の学部を志望しているなら、小論文で医療に関するテーマが出たときに、志望理由書と同じ問題意識から意見を組み立てられます。反対に、小論文と志望理由書で考えがちぐはぐだと、面接で説明がつかなくなります。

小論文の練習で「なぜ」を掘り下げた経験は、そのまま志望理由書と面接の準備になります。

志望理由書の進め方は志望理由書の書き方で詳しく解説しています。

小論文も「盛らず、深める」で力をつける

パスハックは愛媛県松山市の総合型選抜専門塾です。「盛る対策はしない。深める対策をする」という方針で、小論文・志望理由書・面接をひと続きで指導しています。独学で進めてきた人が、ひとりでは見えなかった部分を補う場としても使えます。

総合型選抜で国立大に合格した代表が直接指導する

代表自身が総合型選抜で国立大学に合格しています。書類・小論文・面接がどうつながって評価されるのかを受験生の側で経験しているため、表現を整えるのではなく、考えの中身を掘り下げる指導を行います。

講師は社会人講師のみ

講師は社会人のみで、大学生アルバイトはいません。志望する分野の現実を踏まえて、答案の主張に「なぜ」を投げかけ、根拠の浅い部分を一緒に掘り下げます。

チーム体制で多角的にフィードバックする

ひとりの講師だけで答案を見ると、指摘の角度が偏ります。パスハックではチームで答案を確認し、ひとりでは気づけない弱点や反対の立場からの見方を洗い出します。

毎月の成長レポートで進捗が見える

小論文は伸びが実感しにくい科目です。毎月のレポートで、どこまで力がついて次に何に取り組むのかを、本人と保護者が確認できるようにしています。

全国どこからでもオンラインで受講できる

小論文の添削も、オンラインで対応しています。近くに総合型選抜の専門塾がない地域の高校生でも、同じ指導を受けられます。まずは無料相談で、今の答案の状態を整理するところからで構いません。

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まとめ

小論文の対策の多くは、独学で進められます。

  • 型・知識・時間内に書き切る力は、参考書と過去問で自分で伸ばせる
  • 進め方は、過去問の確認、型の習得、知識のインプット、時間を計った演習、日をおいた書き直しの5ステップ
  • 見直しでは、設問への応答、主張と根拠のつながり、「なぜ」に3回答えられるか、形式のルールを確認する
  • 論の浅さは自分では気づきにくいので、どこかの段階で人に読んでもらう

まずは志望校の過去問を開いて、出題形式と字数を確認するところから始めてみてください。

監修者

総合型選抜専門塾パスハック 代表長岡 孝樹

塾講師・フリースクール講師としてキャリアをスタート後、 ITベンチャーや上場企業でWebマーケティングを経験。 サイト運用から広告ディレクションまで幅広く担当。

IT寺子屋では小学生へのプログラミング指導に携わる。 現在は愛媛県松山市にて総合型選抜専門塾「パスハック」 を運営。自らも総合型選抜で電気通信大学に合格した実績を持つ。

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